ヘッドライトをハロゲンやHIDからLEDに交換しても車検に通るのか?【LEDヘッドライト】
「ヘッドライトをハロゲンバルブやHIDバルブからLEDバルブに交換したいけど、車検って通るの?」
と思っている方は多いと思います。
今回は「車のヘッドライトをハロゲンバルブやHIDバルブからLEDバルブに交換しても車検に通るのか?」について解説します。
ヘッドライトをハロゲンバルブからLEDバルブに交換しても車検に通るのか?
やっぱり気になるのは「ヘッドライトをLEDバルブの物に変えても車検に通るのか」という点ですよね。
車検に通るためには一定の基準を満たしているかが重要になります。
車検に通るための重要なポイントは「光度」「光の色」「光軸」の3つです。
順に解説します。
光度(光の明るさ)
最初に車検に通るために必要な光度(光の明るさ)について説明します。
光度はロービームで測光ポイントが「6400カンデラ以上」必要
LEDバルブには光量のルーメン値(lm)が記載されていることがほとんどですが、車検のときは実際にヘッドライトが路面を照らす明るさである光度を測定します。
光度というのは光の強さの度合いのことです。
単位はカンデラ(cd)が使用されます。
つまり車検では実際にヘッドライトの光がどれくらいの強さで路面を照らせるかを調べます。
車のヘッドライトにはハイビーム(走行用前照灯)とロービーム(すれ違い用前照灯)の2つがありますが、車検の時はロービームを使用して検査が行われます。
光度についてはLEDバルブはハロゲンバルブに比べて圧倒的に明るく、HIDにも負けないくらい明るいので光度自体で車検に通らないということは少ないでしょう。
ただ経年車などヘッドライトのレンズ部分が曇っている場合があると思います。
あまりにも曇っている状態だと光がテスターに届きづらくなり光度不足になってしまう可能性もあるので注意が必要です。
光度と配光の問題
光度自体は問題が無くても車検に通らないことがあります。
それは測光ポイントが問題になる場合が有るためです。
前述のように車検ではロービームを使用して測定するわけですが、測光ポイントはロービームの時に出るエルボー点というものを基準にして導かれます。
エルボー点というのはロービーム時に対向車が眩しく無いように右側上方向の光をカットする「カットオフライン」の屈曲点のことです。
このエルボー点を基準に測光ポイントを決めるため、カットオフラインが無いもしくはカットオフラインが不明確な場合に測定が出来ずに車検に通らないということがあります。
ヘッドライトにはマルチリフレクタータイプやプロジェクタータイプがありますが、このカットオフラインがでなくなるというのはマルチリフレクタータイプのヘッドライトで起こる場合が多いです。
マルチリフレクタータイプのヘッドライトは、バルブから発せられた光がリフレクターに反射して配光が決まります。
もともとハロゲンバルブやHIDバルブがついていたヘッドライトの場合、360°に光が照射されることを前提としてリフレクターで反射させて配光を作り出しています。
それをチップで360°照射しないLEDバルブに交換することにより、リフレクターでうまく反射せず配光が崩れてしまう事があります。
特に多いH4規格のバルブを使用したヘッドライトは、ほぼ全てがマルチリフレクタータイプです。
きちんとした製品の場合は配光が崩れないように設計、テストをしているのでカットオフラインが出ないということは少ないですが、粗悪な製品の場合は配光が崩れてしまい、カットオフラインが出にくいです。
光の色(色温度)
次に車検に通るために必要な光の色(色温度)について説明します。
色は「白色」(ただし平成17年12月31日以前の車は「黄色」でも可)
ヘッドライトの色は白色でなければなりません。
ただし平成17年12月31日以前の車は「黄色」でも良いです。
平成18年の1月1日に保安基準が改定され、前照灯(ヘッドライト)の色は白色のみとなりました。
LEDバルブを買う時に色を判断するのはケルビン数というが指標になっています。
ケルビン数というのは色温度のことで、単位はK(ケルビン)です。
基本的にケルビン数が高いほど青くなり、ケルビン数が低いほど黄色くなっていきます。
ヘッドライト用のLEDバルブは見た目の問題で少し青みがかった白色の人気が高いです。
しかし、白ではなく青だと車検には通りません。
では一体「白だと判断されるケルビン数の上限はいくつなのか」という話になるわけですが、これには明確な基準が存在しません。
色を判断するのは車検の検査官
なぜ明確な基準が無いのかと言うと色を判断するのは車検を行う検査官だからです。
検査官が白色だと思えば白色になり、青色だと思えば青色に、黄色だと思えば黄色になるわけです。
ですので、明確な基準は無いのです。
ですが、複数の有名メーカーが出しているLEDヘッドライトのケルビン数は6,500ケルビン辺りなので、上限は6,500ケルビン辺りというのが目安となります。
また、下限ですが通常のハロゲンバルブの色温度は3,000~3,500ケルビンですので、下限は3,500ケルビン辺りを目安にすると良いでしょう。
光軸(光の向き)
最後に車検に通るために必要な光軸(光の向き)について説明します。
光軸とはヘッドライトが照射する光の中心のことです。
ヘッドライトのバルブを交換したときには光軸がずれてしまうことがあります。
光軸がずれる原因はバルブを交換する際、以前装着していたバルブの位置とわずかにずれてしまうことが原因です。
他には急激な段差を乗り越えたりすることにより光軸がずれてしまうことも有るようです。
光軸がずれることは、ハロゲンバルブ、HIDバルブ、LEDバルブどれに交換しても起こる可能性が有るものです。
光軸が上向きにずれているとロービーム時にも光が対向車に向かって出てしまうため、危険ですし車検に通りません。
ですので光軸がずれている場合光軸を調整しなければなりません。
本来ならヘッドライトのバルブ交換と光軸調整はセットで行うほうが良いです。
光軸調整はショップに頼めば有料ですが調整してもらえます。
工具があれば自分で光軸調整することも可能です。
難しい場合は車検対応品を選ぶ
ここまでヘッドライトをLEDに交換しても車検に通る条件を書いてきましたが、判断するのが難しい場合「車検対応」もしくは「保安基準適合」と記載してある商品を選ぶと良いでしょう。
車検対応と書いてあるものはメーカーが保安基準に合致するように作っている製品なのできちんとしたメーカーの場合、車検に合格しなくて困るといったことは少ないはずです。
まとめ
ヘッドライトの車検に合格するポイントは光度と色温度と光軸の3つです。
光度の検査では配光(カットオフライン)が出ていないと測定されないので注意しましょう。
LEDバルブに交換したいけど車検に通るか不安という人は、保安基準に適合するように造られた車検対応品を買うようにするといいでしょう。