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CVTフルードの交換は必要?|愛車「ダイハツ ミライース」での交換時の経験も紹介

CVT 断面図

トヨタ(https://global.toyota/jp/)より引用 

車のトランスミッション(変速機)の一種であるCVT無段変速機)。

CVTの車ならCVTのオイル「CVTフルード」を交換する機会があると思います。

しかし、CVTフルードの交換はいろいろな意見が見受けられます。

ですので「CVTフルードの交換はしたほうが良いのか、良くないのか」と迷われている方も多いと思います。

そこで今回は私の愛車である「ダイハツ ミライース(DBA-LA300S)」のCVTフルードを交換した実例を交え、CVTフルードを交換した方が良いか、良くないかを紹介していきたいと思います。

CVTフルードの交換にはいろんな意見があるということ

まず各メーカー、各車両に設定してある推奨交換距離(期間)で交換していくことが基本となります。

しかし、皆さんも聞いた事があるかもしれませんが、CVTフルードの交換に関してはいろんな意見があります。

  • 定期的に交換したほうが良い。
  • 交換しない(無交換)で良い。
  • シビアコンディションの車両のみ交換する。
  • 交換したら逆に故障する原因となる。

だいたいこんな感じでしょうか。

それでは、それぞれの意見に分けて考えます。

CVTフルードは交換した方が良いという考え

筆者は工業系高校出身で工業人の端くれなのですが、潤滑用のオイルで交換しないで良いというオイルは無いと考えています。

オイルは使用していく中で劣化していきます。

もちろんオイルは年々進化を遂げており、質も上がっています。

しかし劣化しない画期的なオイルができたという話は聞かないですし、できたら本当にすごい思います。

経年劣化や使用していく中でのオイルの劣化というのを完全に無くすことは、現時点ではまだ可能になっていません。

ですので、定期的な交換をしたほうが良いという事になると思います。

特に最初は劣化しやすいので、早めに交換することを検討しても良いと思います。

CVTフルードは交換しなくても良いという考え

メーカーや車種によってはCVTフルードは無交換(シビアコンディション時は交換が必要)になっているようです。

おそらく、環境が良ければCVT自体の限界(寿命)が来るのが早いのでしょう。

そういう車はディーラーも積極的に交換しようとしないところもあるようです。

それは交換したときのリスクのほうが大きいと考えているからだと思います。

交換するときのリスクについては後述します。

実際、無交換で乗り続けても問題が発生しなかった(故障しなかった)というケースが多いようではあります。

CVTフルードは交換しないほうが良いという考え

CVTフルードは交換しない方が良いと言われることもあります。

これは交換したことによって、CVTの故障を招いてしまったり、事態を悪化させてしまうケースが考えられるからです。

故障を招くケース1

まずは単純に交換時に異物が混入してしまい故障を招くケース。

ATやCVTは非常に精密に作られており、非常に細い油路やソレノイドバルブが複雑に組み合わさって構成されています。

ですので、細かい異物でもそれが詰まって致命傷となることが可能性が高い訳です。

故障を招くケース2

過走行車、つまり交換時期を過ぎてしまった車は交換しないほうが良いと言われます。

CVTフルードの劣化の原因として大きいのは、内部のベルトやプーリー、ギアなどの磨耗などして生まれる金属粉の影響があります。

金属粉の混じったCVTフルードは摩耗を助長してしまいます。

その金属粉は過走行車の場合、大量に溜まる事になります。

金属粉はオイルパン(底の部分)に設置してある磁石によって吸い寄せられたり、ストレーナーやオイルフィルターを通したりする事でCVT内部を循環しないように対策を施してあります(多くはオイルパンに貯まる)。

それが交換時に舞い上げられてしまい、CVT内部を循環して摩耗をより促進させたり、詰まったり、トラブルを起こす要因となってしまうことが十分考えられます。

ですので、過走行車はCVTフルードを交換しないほうが良いといわれる事があるのです。

過走行車の場合CVTフルードは交換は諦めるしか無いのか

もう過走行車の場合はCVTフルードの交換を諦めるしか無いのかというと、そういう訳では無いです。

上記の金属粉の影響のトラブルまでの流れは、一般的な循環式のオイルチェンジャーを使って行われることを想定しています。

より高性能な圧送式のオイルチェンジャーの場合は、より安全に交換できます。

一番良い方法はドレンボルトからオイルを抜いて、オイルパンを外して付着している鉄粉を洗浄して、ストレーナーやオイルフィルターを交換してから新しいCVTフルードを入れることでしょう。

まあそんな手間をかけていたら、工賃は結構高く付くと思いますが。

過走行車のCVTフルードをどうしても交換したいという人や、CVTフルードの交換に妥協したくないという人はやってるお店を探して見るといいと思います。

実際に「ダイハツ ミライース(DBA-LA300S)」のCVTフルードを交換した話

2018年(平成30年)の9月30日にCVTフルードの交換をしました。

交換方法について詳しく聞かなかったので、循環式か圧送式かなどは分からないのですが、交換したということで紹介していきたいと思います。

CVTフルードを交換した理由

交換した理由は

  • ディーラーで交換を勧められた。
  • 筆者自身のオイルは定期的に交換したほうが良いという考え。
  • CVTフルードを交換したらどんな変化が出るのかという興味。

こんな感じです。

交換後の変化に対する興味が一番大きかったです。

CVTフルード交換時の走行距離

走行距離は43,200km時に交換しました。

取扱説明書のサービスデータによる「ダイハツ ミライース(DBA-LA300S)」のCVTフルード(ミッションオイル)の交換時期は50,000kmです。

ですので、少し早めのタイミングです。

なぜ少し早めに交換する事にしたのか、それはディーラーで交換を勧められたタイミングもあるのですが、私の車に乗る環境が坂を上ったり下ったりとCVTに負荷をかける使い方が多かったというのが大きいです。

ですので、推奨交換時よりも少し早いタイミングで交換してもらうことにしました。

CVTフルード交換 シール

ダイハツのディーラーで交換したのですが、交換したら上の写真のシールが貼られていました。

CVTフルード交換後の変化

まだ走行距離がそんなになかったので感じとることができる変化はないかとも思いましたが、確かに変化を感じることができました。

CVTフルードを交換してからは

  • 「加速感」が良くなった。
  • CVT特有のアクセルを踏み込んだときに、エンジン回転数は上がるけど車が加速する感じの乏しさが減少した。
  • アクセルを踏み込んでからの反応が良くなったのでドライバビリティが改善された。

というような変化がありました。

交換してから環境の変化もあって以前ほど長距離を運転する機会が少なくなったので、現在の走行距離が約46,000km程度ですが、異常は有りません。

近年のターボ車や、電気モーターアシスト車(ハイブリッド車)などの低回転域のトルクが大きい車は、より変化が感じられると思います。

まとめ

筆者自身はCVTフルードを交換することによって、CVTの動きの改善を感じる事ができました。

ディーラーであれば環境や設備はある程度整っているので、交換時のリスクも少ないはずです。

最初の方がオイルに金属粉が混じって劣化しやすいので、初回交換時は早めに交換したほうが良いと思います。

また、CVTが故障するタイミングはメーカーの保証が切れてからが多くなります。

CVTを修理または交換ということになると、費用は安くないです。

短い間で車を変えるという人は交換しなくてもあまり問題にならないと思いますが、

  • その車を長く乗りたいという人
  • 長距離を走ることが多くて走行距離が伸びる人
  • 坂道を上ったり下ったりすることが多い人

これらに当てはまる人は特に、CVTフルードの定期的な交換をオススメします。